第20話(最終話)
残りの人生
家族から忍酒店での角打ちの「ママ」を提案されたハナ。自分が探し求めていた答えを見つけた思いであったが、安請け合いはしたくないという思いに駆られる。しかし、嫁の由美の一言を契機に皆の申し出を受けることに。気持ちを新たに角打ち開店の準備を進めるハナだったが……。
珠玉の終活小説のコミック版、泪と笑顔で大団円!!
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第19話
難問
ゆるやかに衰退する境地を受け入れたハナだったが、短くとも長くとも感じられる残りの人生を、いかに生きるべきか思い悩む。そんな折、雪男のアイデアによって忍酒店の店内に嫁の由美の絵が飾られることに。少しずつ変化を見せる家族の様子を見守るハナだったが……。
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第18話
夕陽の如く
美術の公募展に応募するも入選できなかった嫁の由実は、華やかな世界で活躍を見せる義姉・いちごへの嫉妬心も相まって、家族に当たり散らしていた。しかし、ようやく自身の才能の無さを自覚するに至った由実は、ハナに絵を描くことを諦めると告げるが……。
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第17話
愛の深さ
岩太郎から突然相談を持ち掛けられ、困惑したハナだったが、それも束の間、夜、自宅に訪ねてきたのは亡き夫・岩造の愛人、森薫だった。岩太郎の行動について聞き質されたハナは、薫の考え方に図らずも同意してしまう。この際だからとお互いの本音をぶつけ合う中で、ハナの気持ちに大きな変化が……。
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第16話
決心
亡き夫・岩造の愛人の息子である森岩太郎から相談があると呼び出されたハナ。岩太郎から母親にも伝えていないというある決意を打ち明けられる。父の存在はなく、母と二人きりで人生を歩んできたという強い思いを持つ岩太郎。彼の母親に対する深い愛情のこもった言葉に、ハナの感情は揺れ動く……。
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第15話
白い箱
亡き夫・岩造との結婚生活を振り返り、たとえ裏切られていたとしても、精一杯頑張って生きてきた、と自分を納得させるハナ。口だけは立派で一端の画家気取りの嫁・由美や、飛躍のチャンスを掴みかけている娘・いちごの姿に、老いた自分には「次」がないことを実感していた。そんな折、突然一本の電話が……。
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第14話
罪の棘(とげ)
孫たちとショッピングに出かけた先で、亡き夫・岩造の愛人である森薫とその息子に偶然出会ってしまったハナ。二人を呼び止め、岩造と死後離婚することを宣言し、あらいざらいぶちまける。そして、孫たちも森薫親子に核心を衝(つ)く疑問をそれぞれ突きつける……。
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第13話
躊躇(ためら)い
秀才と見込んでいる孫の雅彦がハナに提案した死後離婚の手続き。実際に提出するかはともかく、役所に「婚姻関係終了届」の用紙を取りに行くことに。自分を裏切った夫に対し一矢報いた気持ちのハナは、一人祝杯をあげようとする。その時、同期生から電話が……。
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第12話
生き地獄
森薫と対面したハナは、苛立ちを隠せなかった。いつになく張り切って料理をしていた嫁の由美に悪態をつく始末。
自分より若く美人で、かつ殊勝な態度を取る相手の姿に、亡き夫・岩造の真意を図りかね、ハナは一人思い悩む。そんなおり、雪男と由美の息子で孫の雅彦がハナのマンションを訪ねてくる……。
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第11話
対峙
岩造の愛人が院長を務める病院に、息子・雪男とともに押しかけたハナ。
待合室で最後の患者が退出するまでの間、自らの生き方、信念を確認しながら、努めて平静を装っていたハナは、ついに亡夫の愛人、森薫と対面する……。
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第10話
愛人の子
岩造とその愛人の子である森岩太郎による突然の訪問。ハナは、夫の面影を残す岩太郎の姿に内心動揺するものの、気丈な振る舞いを貫く。
岩造の遺言によって愛人側に送った掛け軸だったが、自分たちが受け取るわけにはいかないと返却を申し出た岩太郎。ハナの娘・いちごや息子・雪男の非難が渦巻く中、ハナが取った行動は……。
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第9話
憤懣(ふんまん)
以前のように計算しつくしたファッションで久しぶりに商店街を歩くハナ。事情を知らない近所の人々の前では愛想よく振る舞うが、一人になると、怒りに打ち震えていた。
そんなある日、ロンドンに住む孫のマリ子から旅の土産品が届き、ハナも含め家族が雪男(ゆきお)の家に集まっていたのだが……。
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第8話
もうひとつの“家庭”
40年にもわたって夫・岩造の裏切りに気付けなかったことにショックを受けるハナと子どもたち。しかし、嫁・由美の無神経な言動に、ハナははらわたが煮えくり返る思いでいた。
そんなハナがとった行動は……。
【参考文献】
「簡単おりがみ大百科」(主婦の友社)
「写真でわかる 決定版 おりがみ大百科」山口 真
(西東社)
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第7話
衝撃の事実
去る者は潔く、という考えは岩造も共に抱いてたと思っていたハナは、いまさら出てきた遺言書の存在にとまどう。
気が進まないながらも、ハナは家族とともに家庭裁判所に行く。
封を解かれた岩造の遺言書が読み上げられるが……。
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第6話
疑念
岩造の遺品から出てきたのは国分寺にあるクリニックの診察券。岩造とまったく接点がなさそうな場所にあるクリニックに疑問を感じたハナは、そこを訪ねてみることに。岩造が倒れる前後の行動が明らかになるにつれ、様々な疑念がわきおこるハナだったが……。
【参考書籍】
「写真でわかる 決定版 おりがみ大百科」
山口 真(西東社)
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第5話 孤愁
岩造の葬儀が終わってから一月以上経った。長女のいちごが様子を見にやってきたり、岩造が生前唯一の趣味としていたサークルの展示会を訪問するなど、気丈に振る舞うものの、ハナの喪失感はますます深まるばかり。
そんなおり、岩造の遺品整理が始まるのだが……。
【参考文献】
『端正な折り紙』山口 真(ナツメ社)
『おりがみ新世紀』笠原邦彦(サンリオ)より
〈「ふたこぶらくだ」ジョン・モントロール〉
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第4話 突然の別れ
岩造が倒れ、病院に運ばれる。家族が呼び寄せられ、救急処置を待つハナ。何があってもおかしくない年齢、と覚悟を決めていたはずだったが、あまりにも突然の最愛の夫との別れとなってしまった。
葬儀も終え、一段落ついたハナは、岩造の形見を見つめながら、若かりし頃の日々を思い起こしていた……。
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第3話 命がけで守ってきた店
堅実な生き方をするに違いない、ということが決め手となった夫・岩造との結婚生活を振り返るハナ。時代の波に翻弄されつつも、がむしゃらに酒屋を守ってきたという自負に揺らぎはない。しかし、娘・いちごから辛辣な言葉とともに現実を突きつけられてしまう……。
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第2話 いけ好かない嫁
夫から延命治療についての考え方を聞かされたハナはその意志を尊重する。
飾らない言葉で愛情を伝える夫との生活に、それなりに幸せを感じていたハナだったが、ただひとつの不満は、代替わりで酒屋を譲った息子を手伝うこともせず、自由気ままに生活をする嫁の存在だった…。
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第1話 大台間近の同期会
人は老いる。だからこそ、いい年のとり方を追求する女、忍ハナ(おし・はな 78歳)は、同期会に向かう途上で、シニア雑誌記者の取材を受ける。
その後、同期会に参加したところ、自分と同じ年代の男女が、すっかり彩りを失ってしまっていることに驚愕する。
若作りしていると意地悪く指摘され、一人浮いてしまったハナだが、旧友達の視線もよそに「どうせもうすぐ死ぬんだから…」と言い放つ。
傘寿間近にして若くオシャレなハナの、「終活」ストーリー、ここに開幕。
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