潮出版社
 
 
潮2019年2月号
月刊「潮」 潮2019年2月号
発刊日
2019年1月05日
価格
649 (本体 590円)

目次

  • 【特別企画】二〇一九年世界と日本のゆくえ

    青木 保 新時代の日本の「文化力」を世界へ発信。
    ●手嶋龍一 米中対立時代ー日本に求められる戦略。
    ●篠原文也 VS 清野 智 【対談】「観光立国」日本の可能性。

    ●井出 明 VS 呉座勇一 【対談】歴史と現代を捉える新たな視座。
    ●冨山和彦 VS 田原総一朗 【連載】ニッポンの問題点14

  • 岐路に立つ日本企業再生への条件


    【新春対談】
    ●内田 樹 vs 秋満吉彦 本物の読書体験をしよう。
    ●佐山和夫  vs 真田 久 金栗四三と嘉納治五郎ー五輪をめぐる師弟の物語。


    ●片山 修 カルロス・ゴーン氏逮捕の深層と日産の未来


    ●第六回潮ノンフィクション賞発表。

  • 選評 梯久美子/後藤正治/楊逸/吉岡 忍

  • 受賞作「最良の逝き方の選択ー決定権はあなたの手中にー」(抄録)
  • 小村一左美
  • 受賞作「トルーマン大統領の国に生きてー在米被爆者の軌跡ー」
  • 松前陽子

  • 連載ドキュメンタリー企画96
  • 民衆こそ王者 池田大作とその時代
    未来に生きる人篇〈2〉 


    粟野仁雄 【ルポ】北方領土問題の淵源を探る。(上)


    ●渋井哲也 【レポート】「スクールセクハラ」被害の現実。


●トム・ヴォルフ 【インタビュー】歌姫マリア・カラスの真実の姿を求めて。


  • 山本一力 【新連載小説1】蒼天有眼ー雲ぞ見ゆ。


    ●熊谷達也 【新連載小説2】芦東山。


  • 【特集】山形
    ・佐藤孝弘 四季が織り成す「桜梅桃李」の山形の魅力
    ・阪 哲朗 オーケストラの魅力を体感してほしい
    ・鈴木 晃 藤沢周平の原風景をたどる場に
    ・稲川琢磨 山形の地から日本酒を世界酒に!
    ・石澤幸志郎 〝山形の文化〟そばとラーメンを楽しめるお店
    ・大山るり子 紅花は見てよし、染めてよし、食べてよし
    ・吉田長芳 最高の桐箱づくりにこだわる
  • ・鈴木一成 地元に根付いたお酒をつくり続ける
  • ・加藤条治 故郷・山形の皆さんと共に歩むスケート人生。


    ●安部龍太郎  【連載】シルクロード「仏の道」紀行7
    敦煌


  • ●松下茂典 【シリーズ プレイバック「東京オリンピック1964」】
  • 〝鬼〟の大松博文と六人の〝魔女〟たち(最終回)

  • ●名越康文 【新連載】名越康文のシネマ幸福論⑤
    「家族」の距離感。


    佐藤 優 【連載】師弟誓願の大道ー小説『新・人間革命』を読む④
    北方領土交渉と池田SGI会長の人間外交。


    ●伊東 潤 【連載小説⑤】覇王の神殿。



  • ●石井光太 【新連載】シルバー・アンダーグラウンド~置き去りにされる高齢者たち~⑥
    鯨と生きる世界ー太地町の捕鯨文化。(上)


     

    ●三浦瑠麗 【連載30】世界への扉
    フランスの抗議運動が意味するもの。


    【連載小説22】セバット・ソング 谷村志穂

     

    【連載エッセイ26】小さな幸せ探検隊 森沢明夫
      

     
    【ushio情報box】 暮らしの相談室(保険編)(認知症への備え)/初心者のためのスマホ活用術(ツイッターを使いこなそう)/地球にやさしいエコライフ(冬のかしこい機器の使い方)/悠々在宅介護術【食べる編①】/最近気になるMONO(首のストレッチャー)/災害と防災(地震の予兆とは)/主治医は自分! 未病発見・予防(鼻みず・鼻づまり)/ビューティータイム(やさしいケアで若さをキープ)/シネマ&DVD/ステージ&ミュージアム/短歌/俳句/時事川柳/前新式 座ってできるリンパストレッチ(ひざ伸ばしストレッチ)

    【ずいひつ「波音」】
    こころを聴く38 プリニウスの旅。 中西 進 /なぜ「良い夫」は続かない。 藤田結子 /よい出会いをして幸あれ! 廣川まさき /「色」と「におい」の不思議な関係。 山下真知子 /日本を知ろうとする意欲。 大森貴久

    【カラーグラビア】
    PEOPLE2019/世界のネコたち(タンザニア〈ザンジバル〉)/〝ティー・エイジ〟流カフェ散歩/日本紀行(山形)

    潮ライブラリー/新聞クリッパー/今月のちょっといい話/クロスワード・パズル/囲碁・将棋/読者の声/編集を終え

2月号読みどころ

【特別企画】2019年――世界と日本のゆくえ

  • 「新時代の日本の『文化力』を世界へ発信」 青木 保(文化人類学者)
  • 「米中対立時代――日本に求められる戦略」 手嶋龍一(外交ジャーナリスト)
  • 【対談】「『観光立国』日本の可能性」 篠原文也(政治解説者)vs清野 智(日本政府観光局理事長)
  • 【対談】「歴史と現代を捉える新たな視座」 井出 明(金沢大学准教授)vs呉座勇一(国際日本文化研究センター助教)
  • 【連載】ニッポンの問題点(14)「岐路に立つ日本企業――再生への条件」 冨山和彦(株式会社経営共創基盤代表取締役CEO)vs田原総一朗(ジャーナリスト)

 

 今号では「2019年――世界と日本のゆくえ」と題し、多彩な論者による大局観に立った日本の戦略を探る特別企画を組んだ。

 巻頭記事では、近く訪日観光客が年間4000万人を超え、外国人観光客、そして外国人労働者と隣り合わせで生活する時代の到来に向けて、日本のもつ文化の力をどのように発揮していけばよいのかを青木保氏に語っていただいた。

 手嶋氏は、米中対立という大きな転換の年となった2018年を踏まえて、2019年の国際政局を分析している。

 

 政治解説者で、日本の観光政策にも関わる篠原氏とJR東日本の元会長で、日本政府観光局理事長を務める清野氏の対談では、東京五輪や大阪万博等の国際的な催しが控える日本が、本格的に「観光立国」を目指していくビジョンについて、語り合ってもらった。

 戦争や災害の跡地など、人類の悲しみを対象にしたい観光――ダークツーリズムを研究する井出氏と、著書『応仁の乱』など日本中世史研究の最先端を走る呉座氏は、日本人がこれまで避けがちだった負の歴史と向き合うことの意味、そして負の歴史が現代にもたらすものをテーマに対談を行った。

 

 田原総一朗氏の好評連載ニッポンの問題点では、企業再生のプロフェッショナルである冨山和彦をゲストに迎えた。20世紀の日本を支えてきたモノづくり産業が衰退してきた現在にあって、トヨタとパナソニックが大改革を行っている。その改革の内幕と、日本企業生き残りに必要なものを語り合った。


  • 【新春対談】「本物の読書体験をしよう」 内田 樹(神戸女学院大学名誉教授)vs秋満吉彦(NHKエデュケーショナルプロデューサー)

 本物の読書体験とは、自分が作ってきた知の枠組みも、世の中の見方も壊してしまうようダイナミックなものである。『街場の読書論』を著した内田氏とNHK・Eテレ「100de名著」プロデューサーの秋満氏が、読書の真の魅力や名著の基準、自分の体験など縦横無尽に語り合った。


  • 【新春対談】「金栗四三と嘉納治五郎――五輪をめぐる師弟の物語」 佐山和夫(ノンフィクション作家)vs真田 久(筑波大学教授)

2020年に東京五輪を控えた本年、NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」では、日本人として初めてオリンピック出場を果たしたマラソン選手・金栗四三氏、そして金栗氏が師事した「柔道の父」嘉納治五郎氏にスポットが当たる。『金栗四三 消えたオリンピック走者』を著した佐山氏、『嘉納治五郎 オリンピックを日本に呼んだ国際人』を著した真田氏による、読めば大河ドラマがさらに面白くなる対談となっている。


  • 連載ドキュメンタリー企画(99)

「民衆こそ王者 池田大作とその時代 未来に生きる人篇(2)」

昭和45年の「言論問題」の渦中。池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長は高校生たちに語っている。

「ずっと虚像でかためてきたところは、これほどの嵐にあえばとっくに崩れている。しかし実像で出来上がっているのは壊れない」

「どんな苦しいことがあっても、実像の人になりなさい」

 言論問題で最も激しく攻撃された地が、中部だった。

 しかし、ここから池田の薫陶を受けた未来の人が立ち上がっていく。

 厳寒を耐えた大地に、真っ白の生命を咲かせる、雪柳の花のように。


  • 【新連載小説(1)】「蒼天有眼――雲ぞ見ゆ」 山本一力

 蘇州の刺繍縫い子、甲骨文字を彫る職人、鍼灸師、薬剤師、料理人等々……。

殷・周時代から清王朝まで、中国文化を支えた職人たちの姿を通じ、悠久の歴史をつないだ「ひと」の物語を描く。

時代小説の名手、山本一力氏が、挑む初の中国歴史小説「蒼天有眼――雲ぞ見ゆ」を是非お読みいただきたい。

定期購読
月刊「潮」の定期購読をご希望の方はこちらからお申し込みいただけます。