●青木 保 新時代の日本の「文化力」を世界へ発信。
●手嶋龍一 米中対立時代ー日本に求められる戦略。
●篠原文也 VS 清野 智 【対談】「観光立国」日本の可能性。
●井出 明 VS 呉座勇一 【対談】歴史と現代を捉える新たな視座。
●冨山和彦 VS 田原総一朗 【連載】ニッポンの問題点14
岐路に立つ日本企業ー再生への条件
【新春対談】
●内田 樹 vs 秋満吉彦 本物の読書体験をしよう。
●佐山和夫 vs 真田 久 金栗四三と嘉納治五郎ー五輪をめぐる師弟の物語。
●第六回潮ノンフィクション賞発表。
選評 梯久美子/後藤正治/楊逸/吉岡 忍
●粟野仁雄 【ルポ】北方領土問題の淵源を探る。(上)
●渋井哲也 【レポート】「スクールセクハラ」被害の現実。
●トム・ヴォルフ 【インタビュー】歌姫マリア・カラスの真実の姿を求めて。
●熊谷達也 【新連載小説2】芦東山。
●安部龍太郎 【連載】シルクロード「仏の道」紀行7
敦煌
●佐藤 優 【連載】師弟誓願の大道ー小説『新・人間革命』を読む④
北方領土交渉と池田SGI会長の人間外交。
●伊東 潤 【連載小説⑤】覇王の神殿。
●石井光太 【新連載】シルバー・アンダーグラウンド~置き去りにされる高齢者たち~⑥
鯨と生きる世界ー太地町の捕鯨文化。(上)
●三浦瑠麗 【連載30】世界への扉
フランスの抗議運動が意味するもの。
【連載小説22】セバット・ソング 谷村志穂
【特別企画】2019年――世界と日本のゆくえ
今号では「2019年――世界と日本のゆくえ」と題し、多彩な論者による大局観に立った日本の戦略を探る特別企画を組んだ。
巻頭記事では、近く訪日観光客が年間4000万人を超え、外国人観光客、そして外国人労働者と隣り合わせで生活する時代の到来に向けて、日本のもつ文化の力をどのように発揮していけばよいのかを青木保氏に語っていただいた。
手嶋氏は、米中対立という大きな転換の年となった2018年を踏まえて、2019年の国際政局を分析している。
政治解説者で、日本の観光政策にも関わる篠原氏とJR東日本の元会長で、日本政府観光局理事長を務める清野氏の対談では、東京五輪や大阪万博等の国際的な催しが控える日本が、本格的に「観光立国」を目指していくビジョンについて、語り合ってもらった。
戦争や災害の跡地など、人類の悲しみを対象にしたい観光――ダークツーリズムを研究する井出氏と、著書『応仁の乱』など日本中世史研究の最先端を走る呉座氏は、日本人がこれまで避けがちだった負の歴史と向き合うことの意味、そして負の歴史が現代にもたらすものをテーマに対談を行った。
田原総一朗氏の好評連載ニッポンの問題点では、企業再生のプロフェッショナルである冨山和彦をゲストに迎えた。20世紀の日本を支えてきたモノづくり産業が衰退してきた現在にあって、トヨタとパナソニックが大改革を行っている。その改革の内幕と、日本企業生き残りに必要なものを語り合った。
本物の読書体験とは、自分が作ってきた知の枠組みも、世の中の見方も壊してしまうようダイナミックなものである。『街場の読書論』を著した内田氏とNHK・Eテレ「100分de名著」プロデューサーの秋満氏が、読書の真の魅力や名著の基準、自分の体験など縦横無尽に語り合った。
2020年に東京五輪を控えた本年、NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」では、日本人として初めてオリンピック出場を果たしたマラソン選手・金栗四三氏、そして金栗氏が師事した「柔道の父」嘉納治五郎氏にスポットが当たる。『金栗四三 消えたオリンピック走者』を著した佐山氏、『嘉納治五郎 オリンピックを日本に呼んだ国際人』を著した真田氏による、読めば大河ドラマがさらに面白くなる対談となっている。
「民衆こそ王者 池田大作とその時代 未来に生きる人篇(2)」
昭和45年の「言論問題」の渦中。池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長は高校生たちに語っている。
「ずっと虚像でかためてきたところは、これほどの嵐にあえばとっくに崩れている。しかし実像で出来上がっているのは壊れない」
「どんな苦しいことがあっても、実像の人になりなさい」
言論問題で最も激しく攻撃された地が、中部だった。
しかし、ここから池田の薫陶を受けた未来の人が立ち上がっていく。
厳寒を耐えた大地に、真っ白の生命を咲かせる、雪柳の花のように。
蘇州の刺繍縫い子、甲骨文字を彫る職人、鍼灸師、薬剤師、料理人等々……。
殷・周時代から清王朝まで、中国文化を支えた職人たちの姿を通じ、悠久の歴史をつないだ「ひと」の物語を描く。
時代小説の名手、山本一力氏が、挑む初の中国歴史小説「蒼天有眼――雲ぞ見ゆ」を是非お読みいただきたい。