潮出版社
 
 
潮2022年12月号
月刊「潮」 潮2022年12月号
発刊日
2022年11月5日
価格
660 (本体 600円)

目次

【特別企画】課題先進国 日本の現在地

「感ずる宗教」の文化で読み解く‶宗教と政治〟。山折哲雄

地域に生きる「幸福」の再発見が日本創生への道。寺島実郎

止められない物価高に賃金上昇で立ち向かえ。渡辺 努

 【連載対談】ニッポンの問題点(60)

その治療、本当に必要ですか?――国民皆保険制度を守るために。奥真也×田原総一朗

 

【特集】歴史から照射する

疫病・震災・格差・戦争―― 一〇〇年前に学ぶ教訓。井上寿一

【対談】戦争の熱狂に巻き込まれない「輿論」を作れるか。辻田真佐憲×佐藤卓己

 

【特集】心豊かに生きるには

【連載】鎌田實の「希望・日本」(31)

絵本をめぐる 柳田邦男さんとの対話。(上)鎌田 實

【ルポ】川端康成が認めた夭折の天才作家・北條民雄を訪ねて 中江有里

 

連載ドキュメンタリー企画

民衆こそ王者 ――池田大作とその時代

希望をつなぐ人篇(18)

 

【対談】「教育」は国の未来への投資である。小原芳明×篠原文也

 

【ルポ】出雲路から見えてきた創価大学の進化と課題。酒井政人

 

【インタビュー】脳出血からの復活へ――「人生に悔いを残さない!」出口治明さんの‶底力〟。関川 隆

 

【スペシャル・インタビュー】 稲垣吾郎

僕の中の「新しい地図」はくっつきすぎず、でもちゃんと繋がっている

 

【シリーズ】 シニアのための「生き生き」講座

「週六〇分の筋トレ」が病気を遠ざける。門間陽樹

 

女王亡き後のイギリス王室が抱える難題。多賀幹子

 

【ルポ】作家・今村翔吾が日本全国「まつり旅」で摑んだ新たな原点。柳川 優

 

【好評連載】

【対談】高島礼子の歴史と美を訪ねて(27)

北条政子は「毒親」? 大姫入内をめぐる女たちの物語。永井紗耶子×高島礼子

 

池田思想の源流――『若き日の読書』を読む(12)

ルソーの哲学と日蓮仏法

佐藤 優

 

真説!始皇帝⑤

 始皇帝暗殺未遂事件の顛末。塚本靑史

 

宿帳拝見――「あの人」が愛した湯(12)

 岡本太郎と吉奈温泉「さか屋」。山崎まゆみ

 

トクサンの「人間野球」日誌(16)

 ルール変更で感じた一抹の寂しさ。トクサン

 

世界への扉(74)

 感情で動く政治からの脱却を。三浦瑠麗

 

 

【連載小説】

蒼天有眼 ―― 雲ぞ見ゆ(40) 山本一力

梧桐に眠る(11) 澤田瞳子

吉野朝残党伝(23) 天野純希

第38回 読者手記発表!

テーマ「クリスマスの記憶」

読者手記 大募集!

(第41回 テーマ 千里の道も一歩から)

 

 

USHIO情報BOX

暮らしの相談室【保険編】[最終回](マンションの地震保険は掛けたほうがよいですか?)/ecology&economy新しい生活様式のエコライフ(家電の買い替えは省エネのチャンス)/熟年世代の危機管理術[最終回]QOLの重要性)/SAFETY&SECURITY IT博士と学ぶデジタル社会の歩き方[最終回]ITの未来)/楽して楽しむガーデニング(マルチングに挑戦)/ナンバープレイス/手近な素材で簡単おうちごはん[最終回](カニカマ)/近ごろカラダが何かヘン!?[最終回](会話が途切れる)/サトミツの知っててよかった!お掃除豆知識[最終回](ブラインド掃除)/おうち時間に簡単体操(脚振り運動で転倒予防)/シネマ&DVD/ステージ&ミュージアム/短歌/俳句/時事川柳/最近気になるモノ(足がつって困る人に)

 

ずいひつ「波音」

こころを聴く(84)頚髄ネット。中西 進/減塩生活。井上荒野/女子高校生に受験の自由を!瀬地山角/トラブルのない関係を築くには?戸田久実/自動運転は万能薬。楠田悦子

PEOPLE2022/世界のネコたち(埼玉県)/ティー・エイジ流カフェ散歩(非日常の隠れ家空間でガレットを味わう)/潮トピックス(動物たちの衣替え)/四季の風景(太陽の染みる味)

潮ライブラリー/新聞クリッパー/今月のちょっといい話/クロスワード・パズル/囲碁・将棋/読者の声/編集を終えて

読みどころ

【特別企画】課題先進国 日本の現在地

「感ずる宗教」の文化で読み解く‶宗教と政治〟。山折哲雄(宗教学者)

地域に生きる「幸福」の再発見が日本創生への道。寺島実郎(一般財団法人日本総合研究所会長、多摩大学学長)

ほか2

 

 今年91歳を迎えた宗教学の権威・山折哲雄氏は、宗教には「感ずる宗教」と「信ずる宗教」の二つの形態があり、砂漠の地で生まれた一神教のキリスト教などは「信ずる宗教」である一方で、日本人は豊かな縄文的自然観と、勤勉な弥生的自然観が相まって、千年以上にわたって「感ずる宗教」という文化の中で信仰心を育んできたと語ります。

 ところが旧統一教会の問題に関する報道の過熱ぶりを見ていると、日本人が育んできた信仰観を、自らばっさりと排除しようとしているようだと、疑問を投げかけます。

 今回明るみになったのは、霊感商法や献金の強要といった法律を逸脱した問題であり、さらにはそうした反社会的団体と政治家の間に特殊な癒着の関係があったことに尽きます。しかし世間ではいつの間にか、「宗教と政治」の問題としてあまりにも大雑把に捉えられてしまっています。

 山折氏は、「日本の政界や宗教界に突き付けられているのは、旧統一教会の問題の本質を見誤り、単に宗教を排除すればいいというような、表層的な意見や風潮に警鐘をならすことだ」と語り、論を締めくくります。

 

【特集】心豊かに生きるには

〈連載〉絵本をめぐる柳田邦男さんとの対話(上)。鎌田 (医師、作家)

〈ルポ〉川端康成が認めた夭逝の天才作家・北條民雄を訪ねて。中江有里(作家、女優、歌手)

 

 鎌田實さんの好評連載第31回目は、ノンフィクション作家の柳田邦男さんと、上下二回にわたって、絵本の魅力について語り合います。

 柳田さんには数々の代表作がありますが、中でもご自身の息子さんを失った経緯を記した『犠牲(サクリファイス)わが息子・脳死の11日』が特に有名でしょう。そして失意の日々を送る柳田さんにとって、絵本との「再会」が転機になったそうです。「絵本は何も子どもだけが読むものではない。大人が読めば、生と死や人生の意義など、根源的なことを考えるきっかけになる」との一言が、真に迫ってきます。さらに柳田さんは「絵本は人生に三度楽しめる」とも語ります。一度目は子どもの頃。二度目は自分が親になって読み聞かせをしてあげる時。そして三度目は中高年になってから。人生経験を積んだ分だけ、深く読むことができるそうです。

 次号では、柳田さんと鎌田さんが「今こそ大人が読むべき絵本」を紹介してくれます。秋の夜長に、静かに絵本のページを開いてみてはいかがでしょうか。

 特集ではもう一本、女優で作家の中江有里さんが、夭逝した作家北條民雄の足跡をたどったルポも、ぜひご覧ください。

 

 

【スペシャル・インタビュー】

稲垣吾郎 ── 僕の中の「新しい地図」はくっつきすぎず、でもちゃんと繋がっている。

 9月号の草彅剛さん、10月号の香取慎吾さんに続き、ついに稲垣吾郎さんが『潮』に初登場! これで「新しい地図」の3人がそろい踏みとなりました。独特の落ち着きと色気を醸し出しながら、主演映画のこと、役者としての展望、アイドル時代の悩みと気づきなど、縦横無尽に語りつくします。三人の絶妙な距離感や関係性についてのお話しや、「草彅さんとの思い出のダッフルコート」のくだりは特に必読です! 最後まで礼儀正しく誠実な振る舞いの稲垣さんに、記者もカメラマンも完全に虜となってしまいました。モノクロのポートレートは、ファンのみならず永久保存版です!

 

 

【ルポ】

出雲路から見えてきた 創価大学の進化と課題。酒井政人(スポーツライター)

 1010日に開催された出雲駅伝で、昨年より順位を一つ上げ6位でゴールした創価大学駅伝部。強風と超高速レースの影響もあり、目標の3位以内は惜しくも逃しましたが、榎木和貴監督はじめ、6区間を走りぬいた選手たちをインタビューし、抜きつ抜かれつの激走の模様とともに、レースをダイジェストで振り返ります。

 創価大学は、11月の全日本大学駅伝、そしてお正月の箱根駅伝と、初めて学生三大駅伝にフル出場を果たします。大きく進化を遂げる一方で、さらなる飛躍のための課題も明確。駅伝シーズンがさらに楽しくなる本ルポにご期待ください。

 

 

連載ドキュメンタリー企画(139

「民衆こそ王者 池田大作とその時代」希望をつなぐ人篇(18

 「もしか、君が自分で自分を、だめだと思っても、私はそうは思わない。

あなたが自分で自分を見捨ててしまっても、私は見捨てない」。

「聖教新聞」などに連載された「希望対話」の池田の言葉に、

いじめに絶望していた幾人もの子どもたちは、

支えられ、希望の光を見いだし、

やがて使命の道を歩み始める――。

人生を悲観し、苦しみのただ中にいる人たちに寄り添い続ける

池田の励ましの激闘に迫る。

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