【特別企画】11年目の3・11
時間と空間を超えていく 亡き人との邂逅。金菱 清
なぜあの町では「震災の記憶」が伝承されたのか。佐藤翔輔
【ヒューマンストーリー】笹原留似子
遺族の心に寄り添い、故人の面影を‶戻す〟復元納棺師。
【特集】子どもたちのリアル
子育て世帯に優しい国へ ――「昭和・平成の呪い」を超えて。末冨 芳
離婚家庭の子どもは何を求めているのか。光本 歩
【連載対談】ニッポンの問題点(51)
不登校は「非常口」 失敗の人生になんてならない! 石井志昂×田原総一朗
【特集】日本と世界の未来
ウイルスの惑星・地球で人類が生きる道。武村政春
「EVシフト」に乗り遅れた日本の現在地。井上久男
【連載】鎌田實の「希望・日本」(22)
大量生産・大量消費よ さようなら ――次世代ブランドの挑戦。鎌田 實
連載ドキュメンタリー企画
民衆こそ王者 ――池田大作とその時代
<希望をつなぐ人>篇(11)
【新連載】宿帳拝見――「あの人」が愛した湯(3)
樹木希林・吉永小百合と湯村温泉「朝野家」。山崎まゆみ
【新連載小説】
梧桐に眠る(2)
澤田瞳子
【特集】政治の使命
【対談】誰もが生きやすい社会をつくるために。村木厚子×里見隆治
【対談】‶青年力〟こそが日本の難題を克服する第一歩。開沼 博×三浦信祐
【ルポ】苦しみの果てに見えてきた進化と課題 ――ドキュメント箱根駅伝。
酒井政人
【シリーズ】シニアのための「生き生き」講座
「第三の人生」は、後半へ続く!
キートン山田
【ヒューマンストーリー】
湯木尚二
「船場𠮷兆」の息子が挑むどん底からの再出発。
アジア共生の磁場――「沖縄」の課題と可能性。
橋本晃和
【ルポ】女性長寿日本一の秘密 ――沖縄・北中城村を歩く。(上)
石井光太
【好評連載】
池田思想の源流――『若き日の読書』を読む(5)
世俗化と人間の危機。佐藤 優
【対談】高島礼子の歴史と美を訪ねて(18)
歴史の狭間に置き去りにされた人々を描きたい。
澤田瞳子×高島礼子
深掘り!「三国志」(8)
邪馬台国の呼び名の謎。塚本靑史
トクサンの「人間野球」日誌(7)
休養もトレーニングの一つ。トクサン
世界への扉(65)
日本政治の論点――未来を見据えた政策論争を。三浦瑠麗
寄せ場のグルメ(32)
現代の寄せ場 「ファミレス」の人間模様。中原一歩
大相撲の不思議(74)
女人禁制 ① 。
内館牧子
【連載小説】
吉野朝残党伝(14)
天野純希
第29回 読者手記発表!
テーマ「巣ごもり生活の極意」
読者手記 大募集!
(第32回 テーマ 方言、万歳!)
USHIO情報BOX
暮らしの相談室【保険編】(健康保険が2割負担になることが心配です)/ecology&economy新しい生活様式のエコライフ(電気ヒーターの上手な使い方)/熟年世代の危機管理術(日本に迫る震災の危機に備えよう)/SAFETY&SECURITY IT博士と学ぶデジタル社会の歩き方(マイナンバーカードでできること ~確定申告~)/楽して楽しむガーデニング(寒い時期の観葉植物の育て方)/ナンバープレイス/手近な素材で簡単おうちごはん(わかめ)/近ごろ…カラダが何かヘン!?(腕が上がらない)/サトミツの知っててよかった!お掃除豆知識(掃除の予防法…汚れがつきにくい暮らし)/おうち時間に簡単体操(かかと上げ&つま先上げ)/シネマ&DVD/ステージ&ミュージアム/短歌/俳句/時事川柳/最近気になるモノ(足裏から血行促進)
ずいひつ「波音」
こころを聴く(75)自然と人間、その交響する歓び。中西 進/日本列島沈没せず。梅田康弘/保育園のメリット。山口慎太郎/タックの第二の生涯。郡司芽久/日が暮れる まで漫才の 稽古する 浅草キッド 四十五歳。枡野浩一
PEOPLE2022/世界のネコたち(広島県)/”ティー・エイジ流”カフェ散歩(「想い出」を橋渡しする喫茶店)/トピックス(春よ来い!)/日本紀行(長崎ランタンフェスティバル)
潮ライブラリー/新聞クリッパー/今月のちょっといい話/クロスワード・パズル/囲碁・将棋/読者の声/編集を終えて
【特別企画】11年目の3・11
「時間と空間を超えていく亡き人と邂逅」
金菱清(関西学院大学教授)
他2本
11年目を迎える3・11を前に、今月号では3人の識者の視点を通して、複眼的に東日本大震災を考えます。
社会学者の金菱清氏はこの11年間、ゼミ生とともに被災地でのフィールドワークを繰り返してきました。当初は、被災者はどのように震災から生き延びたのか、その証言を聞き取っていたのですが、やがて「死者の観点を抜きにして震災は語れない。まして復興など考えることはできないのではないか」と思い至ります。
なぜなら遺された人たちにとって、突然失った大切な人との時間は止まったままであり、時が経過しても、簡単には折り合いなどつけられないからです。その後、被災地で「幽霊」を乗せたタクシー運転手さんの証言や、遺族の「夢」に出てくる家族とのやり取りを通した聞き取りを集め、国内のみならず、世界中から多くの反響を呼びました。
金菱氏はこう語ります。「被災者のなかには、自分の心の痛みは故人を愛していた証と受け止めて、あえて痛みを温存している人もいる。そうした人たちと接したとき、震災を“乗り越える”とは一体どういうことなのかと考えざるを得ない」と。
震災は過去のことではなく、被災地では死者とともに今も歩みを進めている。そのことに思いを馳せた論稿でした。
その他、東北大学の佐藤翔輔准教授には、世代を超えて記憶を伝え残すための研究結果を、また復元納棺師の笹原留似子氏には、遺族の心に寄り添いながら個人の面影を戻そうと取り組んできたご自身の体験と、「死者を悼むこと」の意味を語っていただきました。
【特集】子どもたちのリアル
「子育て世帯に優しい国へ――『昭和・平成の呪い』を超えて」
末冨芳(教育学者・日本大学文理学部教授)
他2本
「子どもの貧困」や「ヤングケアラー」「児童虐待」といった言葉がニュースを席巻するほど、日本の子どもたちを取り巻く状況は、年々苛烈になっています。長年、子育て支援や教育にまつわる行財政について研究してきた末冨芳教授は、「日本は子どもや子育て世帯に冷たい社会」と喝破します。
その理由の一つは、教育への公的支出の少なさ。OECD加盟国の中でも下位に位置している現状は、国際社会の流れとも逆行しています。「教育費は親が負担すべき」という旧態依然たる意識を変え、「すべての子どもたちを支援する」普遍主義への政策転換と、低中所得層への支援の積み増しが、とても重要になってくると語ります。
さらに、支援を必要とする人を非難するのではなく、互いに支え合い、慈しみ合う社会を創出するためにも、地域の力を一層高めていくことが必要だとも言及。弱者に厳しい「昭和・平成の呪い」から、「皆が幸せになるための努力を惜しまない」社会へと、今こそ価値観の転換が求められています。
【特集】政治の使命
【対談】「誰もが生きやすい社会をつくるために」
村木厚子(元厚生労働事務次官)×里見隆治(公明党参議院議員)
【対談】「“青年力”こそが日本の難題を克服する第一歩」
開沼博(東京大学大学院情報学環准教授)×三浦信祐(公明党参議院議員)
特集「政治の使命」では、二本の対談を紹介します。
最初に登場するのは元厚生労働事務次官の村木厚子氏と、公明党参議院議員の里見隆治氏。厚生労働省での先輩後輩にあたる二人の語らいは、「育児・介護休業法」改正時の激闘のエピソードから始まります。
女性が働きやすくなるためには、男性の働き方を変えなくてはならないという村木氏の考え方は、いまではだいぶ浸透してきたものの、当時は抵抗勢力も強かったようです。
また、官僚は国民のニーズをいかに汲み取り制度設計をするのかが役目であり、政治家はその国民の声を体現する存在だと村木氏は語ります。高齢者や障がい者はもちろん、低所得者や非正規雇用といった人々を放置せず、活躍ができるような「包摂社会」を築くため、里見氏にはますます頑張ってほしいと、熱いエールを送ります。
続いては、社会学者の開沼博氏と、公明党参議院議員の三浦信祐氏が、「青年力」をテーマに語り合いました。停滞する日本経済にコロナ禍と、いま若者たちは苦境の真っただ中にいます。しかし社会が「青年力」を失えば、成長力もなくなってしまう。そこで三浦氏は、若者の力を最大限に引き出すための政策と実績を紹介。例えば奨学金の返還支援事業や子育て世帯への未来応援給付、教育費の無償化といった「未来への投資」が重要だと語ります。それに対し開沼氏も、「日本はあと一歩のところで必要な人に支援が行き届いていない。政治には現場感覚の有無が試されている」と語り、「三浦さんには現場のささいな声を掬い上げ、それを大きな声で伝え、理想を実現していってほしい」と、強い期待を表明しています。
【ルポ】「苦しみの果てに見えてきた進化と課題――ドキュメント箱根駅伝」
酒井政人(スポーツライター)
寒風のなかで繰り広げられた、襷をつなぐ学生ランナーたちの熱き疾走。新年早々、多くの方が手に汗を握って箱根駅伝にくぎ付けになったことでしょう。
なかでも創価大学は、昨年の総合2位というプレッシャーを跳ねのけ、歴代最速の高速レースとなった今大会でも総合7位となり、見事3年連続のシード権を獲得しました。
長年、創価大学駅伝部と伴走してきたスポーツライターの酒井政人氏が、1区から10区の全レースを、榎木和貴監督や選手たちのインタビューを交えながら振り返ります。直前合宿での様子や、サポートメンバーを含めた選手たちの絆、さらに創価大学駅伝部の総合力と育成力の検証など、非常に読み応えのあるルポになっています。あの感動と興奮を、いま再び味わってください。
連載ドキュメンタリー企画(132)
「民衆こそ王者 池田大作とその時代」希望をつなぐ人篇(11)
“本当に日蓮大聖人の仏法が、御本尊の力が分かりたいなら、
まず御書(日蓮の遺文集)を買いなさい”
十代半ばから家族六人の生活を支える中、
心が荒んでいた青年を励ましたのは五十歳を目前にした壮年だった。
やがてその青年は四国創価学会のリーダーに成長していく。
「御書」を抱きしめ、自らの使命を自覚し
起ちあがった人たちと池田が織りなす魂の交流を描く。