【特別企画】時代の分岐点に立って
二〇五〇年の日本のために今すべきこと。広井良典
スペイン風邪に学ぶ コロナ終息までの歴史シミュレーション。磯田道史
なぜ日本ではLGBT差別を禁止できないのか。松岡宗嗣
その振る舞い、無自覚ハラスメントかもしれません。奥田祥子
鎌田實の「希望・日本」(17)
一人暮らしのほうが老後は幸せ?鎌田 實
【連載対談】ニッポンの問題点(46)
女性首相が誕生すれば日本は大きく変わる。小木曽麻里×田原総一朗
【特集】日本政治の焦点
【対談】「ビジョン」と「哲学」を語れる政治家が必要だ。牧原 出×吉田 徹
国民のために政治はある――公明党の使命と決意。山口那津男
【新連載】深掘り!「三国志」(3)
劉邦と劉備の思わぬ共通点。塚本靑史
【新連載】トクサンの「人間野球」日誌(2)
皆がエースで4番を目指す必要はない。トクサン
連載ドキュメンタリー企画
民衆こそ王者 ――池田大作とその時代
<識者の声>篇
創立者から受け継いだ襷を次世代へ繋ぐ使命。
小川哲生
【人間探訪】
夏木マリ
行動しない人が悩んでる。半歩でもいいから動いてみて。
【ルポ】
大迫傑の挑戦はこれからも続いていく。酒井政人
【アスリート列伝(1)】
川井梨紗子/川井友香子
夏季五輪日本初の「姉妹で金メダル」。
【アスリート列伝(2)】
阿部一二三/阿部 詩
「兄妹で金」――柔道日本、快挙の背景。
ミニ県民事典<東京五輪編>
【シリーズ】シニアのための「生き生き」講座
いつまでも若々しい「声」を保つ方法。本橋 玲
祝スマホデビュー! でも危ない罠には要注意。高橋暁子
マスク不調に負けない"肺活"のススメ。今井一彰
自分でできるツボ押しで秋バテ解消!柳本真弓
【対談】ダイナミックな江戸時代――幕末・開国の真相。安部龍太郎×佐藤 優
【対談】高島礼子の歴史と美を訪ねて(13)
秀吉朝鮮出兵の謎に迫るミステリー。門井慶喜×高島礼子
【ルポ】日本生まれの無国籍女性が直面した困難。高橋幸春
【好評連載】
世界への扉(60)
カブール陥落に見る米国二〇年の徒労。
三浦瑠麗
名越康文のシネマ幸福論(36)
「継続」という人生哲学。
名越康文
寄せ場のグルメ(27)
<番外編>寄せ場の「読書」。
中原一歩
大相撲の不思議(70)
昇進口上。
内館牧子
【連載小説】
蒼天有眼――雲ぞ見ゆ(27)
山本一力
水の月(15)
中江有里
吉野朝残党伝(9)
天野純希
第24回 読者手記発表!
テーマ「私の読書体験」
読者手記 大募集!
(第27回 テーマ お稽古事と私)
USHIO情報BOX
暮らしの相談室【貯蓄編】(贈与税や相続税対策で気をつけるべきこと)/ecology&economy 新しい生活様式のエコライフ(洗濯時の節水 ~洗濯物を減らす工夫を~ )/熟年世代の危機管理術(災害に役立つ自治体の制度)/SAFETY&SECURITY IT博士と学ぶデジタル社会の歩き方(Twitterで応援メッセージをおくろう)/楽して楽しむガーデニング(キンモクセイを楽しむ)/ナンバープレイス/手近な素材で簡単おうちごはん(サバ缶)/近ごろ…カラダが何かヘン!?(耳鳴りがする)/サトミツの知っててよかった!お掃除豆知識(シューズボックスを清潔に)/おうち時間に簡単体操(空飛ぶイメージで背中の筋肉を強化)/シネマ&DVD/ステージ&ミュージアム/短歌/俳句/時事川柳/最近気になるモノ(防災スリッパ)
ずいひつ「波音」
こころを聴く(70)田宮虎彦の蹉跎。中西進/「生涯現役」実現への壁。太田 肇/父の桜蘭への思い。浦城いくよ/マンションの真実はちょっと不都合。榊 淳司/「移民」inスペイン。工藤律子
PEOPLE2021/世界のネコたち(北海道)/”ティー・エイジ流”カフェ散歩(水平線の彼方をのぞむ絶景カフェ)/四季の風景(星に願いを)/トピックス(くじらびとの物語)
潮ライブラリー/新聞クリッパー/今月のちょっといい話/クロスワード・パズル/囲碁・将棋/読者の声/編集を終えて
【特別企画】時代の分岐点に立って
「2050年の日本のために 今すべきこと」広井良典(京都大学こころの未来研究センター教授)
「スペイン風邪に学ぶ コロナ終息までの歴史シミュレーション」磯田道史(歴史学者、国際日本文化研究センター教授)
他4本
コロナ禍に加え、頻発する自然災害など、現代社会はこれまでにない挑戦を受けています。そこで10月号の特別企画は「時代の分岐点に立って」と題し、7名の識者にご登場いただきました。
京都大学の広井良典氏は、「2050年、日本は持続可能か?」という共同研究から、AI(人工知能)が導き出した「包括的な意味での分散社会が望ましい」という結論を分析。これまでの一極集中社会では、感染症や自然災害だけでなく、健康や経済格差、社会的孤立といった問題でも対応が不可能になると述べています。そして「拡大・成長」路線ではなく、「成熟・定常」を選択することが、日本はもとより人類の未来にとっても、大きな分岐点になると結論づけます。
100年前に大流行したスペイン風邪から、新型コロナ禍の今後をシミュレーションするのは、テレビでもおなじみの歴史学者・磯田道史氏。パンデミックの進行を7段階でとらえると、現在は変異したウイルスが感染者を激増させている第4段階目で、まさに正念場だと警鐘を鳴らします。ちなみにスペイン風邪は終息までに三~四年ほどかかったそうです。しかし現代の私たちは、人工知能や強力なワクチン、治療薬、モバイル端末など、科学技術・利器の助けがあります。だからこそ感染症の典型的な動きを歴史から学び、一人一人が適切な行動をとった分だけ、終息は早まっていくと語ります。
【特集】日本政治の焦点
【対談】「『ビジョン』と『哲学』を語れる政治家が必要だ」牧原 出(東京大学先端科学技術研究センター教授)vs吉田 徹(同志社大学政策学部教授)
「国民のために政治はある――公明党の使命と決意」山口那津男(公明党代表/参議院議員)
近づく総選挙を前に、政界も風雲急を告げてきました。そこで特集では、政治に求められる視点や問題点を、牧原出氏と吉田徹氏のお二人の政治学者に論じていただきました。
コロナ禍という未曽有の危機に対するには、政治リーダーが科学的知見を理解したうえで、政策を決定し、説明していく必要があります。この点が諸外国に比べて弱いのはなぜなのか。さらにはコロナ後の社会ビジョンもなかなか見えてこない。脱炭素化や人口減少、無縁社会といったテーマも踏まえた未来構想を提示するための「哲学」の重要性を語り合います。
それを受けた形で、公明党の山口那津男代表が、近ごろ発表した政策集「日本再生に向けた3つのアクション」を軸に、コロナ後に向けたビジョンをわかりやすく解説。ワクチン確保から接種体制までを牽引してきた公明党は、すでに国産ワクチンや治療薬の開発も主導。さらに社会的孤立の防止や、子育て支援策といった実績から、いま政治が取り組むべきテーマとその理由を、余すところなく語り尽くします。
【人間探訪】夏木マリ(歌手、俳優)
「行動しない人が悩んでる。半歩でもいいから動いてみて」
NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」で、圧倒的な存在感を発揮する夏木マリさん。「カッコいい女性」のオーラ漂う彼女は、じつは清純派アイドル歌手として19歳でデビュー。阿久悠さんプロデュースの「絹の靴下」が大ヒットするものの、二十代の間はキャバレーをドサ回りする日々だったとか。
転機となったのは、ドサ回りの中で出会った誇り高きヌードダンサーたちの姿。その後彼女は舞台に活躍の場を移し、そこで自己肯定感と、俳優としての解放と集中の表現スタイルを得たそうです。与えられたレールを降りて、試行錯誤しながら自分だけのレールを手作りすることで、強くて美しい「夏木マリ」が誕生しました。だからこそ「いつの時代も行動しない人が悩んでる。半歩でもいいから動いてみて」との一言は、強い説得力で私たちの背中を押してくれるはずです。
【ルポ】「大迫傑の挑戦はこれからも続いていく」酒井政人(スポーツライター)
【アスリート列伝1】川井梨紗子/川井友香子「夏季五輪日本初の『姉妹で金メダル』」
【アスリート列伝2】阿部一二三/阿部詩「『兄妹で金』――柔道日本、快挙の背景」
コロナ禍という前代未聞の状況下で開催された東京オリンピック。開催自体や運営面ではさまざまな議論をはらみながらも、多くのアスリートたちの躍動する姿が、私たちに大きな感動をもたらしてくれたのも事実。そこで10月号では、3組のアスリートを追いかけたルポを掲載します。
「東京五輪がラストレース」と宣言して臨んだ、男子マラソンの大迫傑選手。長距離界の常識を覆してきた異端のランナーが見せた、ゴール直前の笑顔、そしてゴール後の涙の真意とは。長年大迫選手を追いかけてきた酒井政人氏だからこそ描ける渾身のルポです。
「アスリート列伝」は2本を一挙掲載。1本目は、レスリング女子で「姉妹で金メダル」が大きな話題となった川井梨紗子選手と川井友香子選手姉妹。前回大会でも「金」の姉は、この5年間は試練の連続でした。その支えになったのが妹の存在だったそうです。二人が歩んだ挑戦の日々と、「お家芸」復活に向けた日本レスリング界のこれからを見つめます。
2本目は、柔道の阿部一二三選手と阿部詩選手の「兄妹で金」。天才と呼ばれる妹と、苦労してはいあがってきた兄。二人の両親への取材から、家族の絆があったからこそ、兄妹で頂点に立てたことが分かります。3本とも、読めば「五輪」の感動と興奮が再び蘇ること、間違いなしです。
連載ドキュメンタリー企画
「民衆こそ王者 池田大作とその時代」〈識者の声〉篇
「創立者から受け継いだ襷を次世代へ繋ぐ使命」小川哲生(明星大学元学長、名誉教授/明星学苑特別顧問)
大好評連載「民衆こそ王者」、今月号は〈識者の声〉篇です。明星大学元学長で、明星学苑特別顧問の小川哲生氏にご登場いただき、大学創立者の理念を次世代へ受け継ぐ重要性について、お話しを伺いました。
小川氏は明星大学で47年近く、創立者・児玉九十先生の教育理念を現実化するために奔走してこられました。だからこそ創価大学創立者・池田大作先生の教育にかける思いや未来ビジョンに深く共鳴するとともに、次代を託す学生や教職員を、手塩にかけて育成してきたことに強い讃嘆の意を表しています。
そして最後に、創立者の理念という「襷(たすき)」を、数百年先に向かって繋いでいく駅伝のランナーとして、ともどもに走り続けていきたいとエールを送り、本稿を締めくくります。