潮出版社
 
 
潮2020年7月号
月刊「潮」 潮2020年7月号
発刊日
2020年6月5日
価格
660 (本体 600円)

目次

【特別企画】挑戦と応戦――ポスト・コロナへ

 

「アフター・コロナ」を生き抜くメソッド
野口悠紀雄

 

不安定化する世界とアメリカの行方

藤原帰一

 

グローバルな構造変化と日本経済の未来

熊谷亮丸

 

コロナに左右されるトランプ再選のシナリオ

中林美恵子

 

感染症で露呈した米国の人種格差

矢部武

 

プーチンを悩ませるパンデミックという誤算

塩原俊彦

 

戦後最大の危機をどう生き延びるか

藤田孝典

 

今できることに集中――コロナ・ストレスを乗り越えるカギ

梅原純子

 

 

創刊60周年記念特集

【対談】若者よ、ピンチこそチャンスだ!

丹羽宇一郎×田原総一朗

 

【新連載】鎌田實の「希望・日本」②

音楽って、「手渡し」するもの

さだまさし×鎌田實

 

月刊『潮』が見た60年(前編)

『潮』編集部・編

 

 

連載ドキュメンタリー企画

民衆こそ王者――池田大作とその時代

〈識者の声〉篇

 

日中友好の橋を架けた国交正常化提言の重み

別枝行夫

 

目の前の一人に寄り添い未来を見据える指導者

茂木健一郎

 

 

五感で味わう珈琲という物語

川口葉子

 

実は怖い「ねこ背」!簡単ストレッチで体も心も元気に

小林篤史

 

【インタビュー】

狂信と偏狭な思想を乗り越えるために

ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ

 

第9回読者手記発表!

テーマ「家族の物語」

 

 

 

【好評連載】

シルバー・アンダーグラウンド(21)

西成で迎える「最期」のその先

石井光太

 

寄せ場のグルメ(12)

労働者の腹を満たす深川の“めしや”(中)

中原一歩

 

世界への扉(46)

検察庁法改正問題が孕む本質的論点

三浦瑠麗

 

名越康文のシネマ幸福論(22)

うわさの真相

名越康文

 

大相撲の不思議(55)

溜まり席

内館牧子

 

 

師弟誓願の大道――小説『新・人間革命』を読む(18)

創価学会が体現する立正安国の思想

佐藤優

 

シルクロード「仏の道」紀行 第二部(最終回)

奈良と西域

安部龍太郎

 

 

【連載小説】

蒼天有眼――雲ぞ見ゆ(15)

山本一力

 

芦東山(19)

熊谷達也

 

覇王の神殿(22)

伊東 潤

 

読者手記大募集!

(第12回テーマ 戦争と平和)

 

 

Ushio情報BOX

暮らしの相談室・貯蓄編(同居していない親を扶養に入れるメリットとデメリット)/サトミツの知っててよかった!お掃除豆知識(魚焼きグリルの掃除方法)/シニアのためのスマホ講座(Zoomで友人とつながろう)/悠々在宅介護術【排泄編】(部屋で気持ちよく用を足してほしい!)/家計にやさしいエコライフ(繰り返し使う)/快適生活 ワンポイントアドバイス(手作りマスク)/災害列島で生き抜く~本当に必要な防災用品とは~(被災時の食事メニューと調理器具)/美と健康のための新習慣(顔のシワとたるみ予防)/ナンバープレイス/おいしく食べて健康づくり(痛風予防)/シネマ&DVD/ステージ&ミュージアム/短歌/俳句/時事川柳/最近気になるMONO(虫よけになる機能性ウエア)

 

 

ずいひつ「波音」

誇りある自粛がほしい。中西進/疫病神になった大納言。大岡玲/鍼灸院探し。柴本淑子/天然物の氷のビーズ。日向理恵子/進む?障がい者の働き方改革。姫路まさのり

 

カラーグラビア

PEOPLE2020/世界のネコたち(カナダ)/ティー・エイジ流カフェ散歩特別編(おうちカフェで寛ぎのひととき)/シルクロード「仏の道」紀行/トピックス(心華やぐ甘いお取り寄せ)

【連載】ニッポンの問題点31

「若者よ、ピンチこそチャンスだ!」

田原総一朗(ジャーナリスト)vs丹羽宇一郎(伊藤忠商事名誉理事・元駐中国大使)

 

 多彩なゲストをお迎えし、日本と世界の諸問題を論じ、その解決策を語りあう田原総一朗氏の連載対談「ニッポンの問題点」。今月号では、元駐中国大使で伊藤忠商事名誉理事(元社長・会長)の丹羽宇一郎氏とともに、新型コロナウイルスに翻弄される状況下で、どうすれば人や会社が生き残れるのかを語り合った。

 なぜ日本は元気がなくなったのか。その原因は日本人の「ポジティブリスト」という考え方にあるという。つまり「やってよいことしかやってはいけない」精神では保守的、限定的にしか動けない。グーグル社のように「やっていけないこと以外は何をやってもよい」ネガティブリストへの転換がカギだと語る。

 さらに、コロナ危機でこれまでの大企業は立ち行かなくなるからこそ、ITAI(人工知能)を駆使したイノベーションが得意な若者たちにとって、このピンチはチャンスなのだと訴える。「ポスト・コロナ」の時代を立て直せるのは若者しかいないのだから、「君たち、死んだつもりで本気を出してやってみろ」と、強いメッセージで対談を締めくくる。

 

 

[新連載]鎌田實の「希望・日本」第2

「音楽って、『手渡し』するもの」

鎌田實(医師、作家)vsさだまさし(シンガー・ソングライター、小説家)

 

 新連載「鎌田實の『希望・日本』」の第2回目は、シンガー・ソングライターのさだまさしさんをお相手に、コロナ危機から見えてきた日本人の心や、音楽の可能性について語り合っていただいた。

 人と直接には触れ合うことができない中で、オンラインの音楽コンサートなどが盛んだが、さださんは「音楽は、ただ単に歌唱したり演奏するのを聴くだけではなく、同じ時間と空間を共有することで、はじめて伝わるところがある」と述べる。だからこそ「音楽って、手渡しするものなんだ」というさださんの一言が深い。

 また自粛期間中、日本で暮らす人々の冷静なふるまいについても指摘。逆に、一部の自粛要請に応じない人に目くじらを立てて非難したり、強権を発動して規制するのではなく、諦めずに説得することのほうが、この先の日本にとってとても大事だと述べている。

 さださんと鎌田さんの対談は、今月号が前編。ぜひ二号連続でお楽しみください!

 

 

連載ドキュメンタリー企画

「民衆こそ王者 池田大作とその時代」〈識者の声〉篇

「日中友好の橋を架けた国交正常化提言の重み」別枝行夫(島根県立大学教授)

「目の前の一人に寄り添い未来も見据える指導者」茂木健一郎(脳科学者)

 

 大好評の連載ドキュメンタリー企画「民衆こそ王者──池田大作とその時代」。今月号は、〈識者の声〉篇として、島根県立大学教授の別枝行夫氏と脳科学者の茂木健一郎氏に、連載への感想や所感を伺った。

 戦後の日中関係について長年研究してきた別枝氏は、池田SGI会長の「日中国交正常化提言」が発表された時代状況を考えると、驚くべき事実であると述懐する。そしてこれほど早く国交正常化が成し遂げられたカギは、創価学会と公明党の存在にあると指摘。最後に、周恩来首相との約束を果たすべく、中国からの国費留学生を創価大学が初めて受け入れたことにも言及し、大学や学術機関などによる民間交流の重要性を語った。

 茂木氏は池田会長の、誰に対しても「一人の人間」として真剣に向き合ってきた姿に注目。しかも一人を大切にするだけでなく、広い視野に立って思想やビジョンも語ることができ、この両方ができる指導者はなかなかいないと述べる。それは池田会長が、戸田第二代会長がもっとも苦境の時に、あえて困難から逃げずに師匠を支え続けたことが背景にあるという。脳科学では困難と対峙することで、常人にはないような能力が発達することを「望ましい困難」と考えるそうで、周りが逃げていく中でも最後まで師匠を支えたことは、池田会長にとっての「望ましい困難」だったのではないかと結論づける。

 二人の識者による正視眼の論稿は、読者にも新たな「視点」を提供してくれるだろう。

 

 

  • 特別企画
  • ●挑戦と応戦――ポスト・コロナへ。

「『アフター・コロナ』を生き抜くメソッド」野口悠紀雄(一橋大学名誉教授)

「グローバリズムの後退と不安定化する世界」藤原帰一(東京大学大学院教授)

他6本

 

 コロナウイルスとの戦いは、むしろこれからが本番ともいえる。そこで特別企画では「挑戦と応戦──ポスト・コロナへ」と銘打ち、政治、経済、国際関係、医学などさまざまな分野の論客に、今後のコロナとの向き合い方、乗り越え方について論じていただいた。

 各国首脳のリーダーシップの差が浮き彫りになったと語るのは、名著『失敗の本質』でも有名な一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏。なかでもドイツのメルケル首相と安部首相の比較は手厳しい。さらに明確になったのが日本のIT化の遅れであり、今こそ古いシステムに固執せず、新たな技術、新たな働き方・学び方を取り入れていくべきだと指摘。なぜならアフター・コロナはこれまでとは違った世界になり、この変化に対応できない企業や人は、淘汰されてしまうからである。

 続いて国際政治学者の藤原帰一氏に、特にアメリカで猛威をふるうコロナ危機が、本年11月の大統領選挙にどう影響するかを冷静に分析していただいた。米中対立やトランプの自国第一主義がさらに加速する様相は、まるで1930年代の世界恐慌のようだと警鐘を鳴らす。と同時に、感染症対策では米中の研究者が手を携えている事実にも注目。グローバリズムが後退する情勢下で一縷の希望だと論じている。

 

 

  • 創刊60周年企画
  • 月刊「潮」が見た60年(前編)

 

 1960(昭和35)年72日、月刊『潮』は産声をあげました。以来60年、737巻にわたり、多くの識者や論客が、その時々の世相を鋭く、鮮やかに論じてきました。

 そこで7月号と8月号の二回にわたり、『潮』に掲載された記事の中から、その時代を象徴する論考を編集部で選び、年表とともに再録します。

 前編の今月号は、196089年を取り上げます。登場するのは、松本清張や司馬遼太郎、池波正太郎、大岡昇平、井上靖、三島由紀夫、有吉佐和子、石牟礼道子といった一線級の作家から、大宅壮一、柳田邦男、本多勝一、本田靖春、沢木耕太郎といったノンフィクションの泰斗、芸能分野では美空ひばりや石原裕次郎、映画監督の山田洋次、スポーツ界からは長嶋茂雄、山下泰裕、植村直己、堀江謙一などなど、時代を彩った錚々たる面々です。

 ご自分の記憶を振り返りつつ、タイムマシンのようなひと時をお楽しみください。

定期購読
月刊「潮」の定期購読をご希望の方はこちらからお申し込みいただけます。