劉邦、項羽に智力による戦いを望む。
「ははは、余は武力ではなく智を戦わせたい。智力で勝負を決めたい。項羽にそう伝えい」
韓信率いる漢軍は、高密城を包囲した。
そこへ楚の龍且率いる20万の援軍が到着し、漢軍と激突した。
漢軍は敗走を始めるが、楚軍がそれを追って水のない河の中ほどまできた時、巨岩を転がしながら水が押し寄せる。韓信は兵土たちの食糧袋に砂を詰め、イ水の流れをせきとめておいたのだった。
楚軍20万は壊滅し、龍且は討たれ、斉王田広は打首にされた。
蒯通は韓信に向かって、斉の国王となって天下をうかがえと説くのだが。
嚢沙の計/仮の斉王/斉王韓信/天下を握る者/劉邦負傷/激突前夜/韓信の策略/窮余の策/切り札/密書/和睦/破約のすすめ/固陵脱出
付録
項羽と劉邦関連地図
項羽と劉邦ビジュアル 捕鯨でつながる太平洋の徐福と日本海の徐福 文/後閑英雄 写真/水島洋子
「勢いを審(つまびら)かにせずして寛厳に即(つ)くは皆誤りなり」 劉迪(早稲田大学現代中国文化研究所研究員)