韓信、董翳の降伏を称嘆す。
「よく降伏してくだされた。戦うにも勇気がいるが恥をしのんで降伏するにはもっと勇気がいりまする。だが、その勇気のおかげで、お互いにこれ以上血を流さずにすみまする」
韓信の訓練によって、漢軍は見違えるような精鋭となり、劉邦の前で合図に従って、一糸乱れぬ動きを見せた。
韓信は樊噲に桟道を一か月で修復せよと不可能な命令を出す。
しかしこれは楚軍を油断させるための作戦であった。散関を守っていた章平は、劉邦が桟道修復を始めたから油断するなとの范増の指令を受け、早馬を、三秦に飛ばす。しかし廃丘の章邯は、空言にまどわされるなと取り合わない。
そこへ漢の脱走兵が降伏を申し出てきた。
東征準備完了/脱走兵/陳倉道/再会/散関陥落/火攻め/挑発/夜討ち/水攻めの計/董翳降参/偽りの降伏/三秦平定/章邯自決/偽軍
付録
項羽と劉邦関連地図
項羽と劉邦ビジュアル 劉邦と劉備を結ぶ漢中の石門桟道 文/後閑英雄 写真/浦充伸
張王李趙遍地劉 武田一顯(元TBS特派員)