岡野玲子(漫画家)「解説」より
翌年、私は結婚し、これまで手塚治虫に関わってきた人々の、手塚治虫を愛していた人々の間に、やっとビリッけつで飛び込んで、目をまわしているような状況です。アゴがはずれるくらいおかしな、編集さんたちの大変な苦労話や、人間とは思えぬ仕事の、離れ業の数々。逸話の数々。聞けば聞くほど手塚治虫のまわりは、まるで漫画のようにとんでもないこと!がいっぱいです。
【第五部】
第9章 竹林精舎/第10章 幽閉の王子
【第六部】
第1章 サーリプッタとモッガラーナ/第2章 非難する群れ/第3章 死の沼地
解説 岡野玲子(漫画家)
【第五部】
第9章 竹林精舎
ビンビサーラ王のもとへブッダがやってきた。アジャセは父がブッダの在家の弟子となったと聞いて、無気力だと非難した。王はアジャセを遠ざけ、アジャセはダイバダッタに相談した。
ダイバダッタは、組織をつくることを提案し、教団をとりしきろうとする。
マガダ王国の都の北に平原があった。ビンビサーラ王はここをブッダに捧げた。ここは竹林精舎と呼ばれて、ブッダの大きな根拠地になった。
アジャセはブッダを殺害しようとして矢を射た。怒ったビンビサーラ王は、アジャセを塔に幽閉する。
第10章 幽閉の王子
乾期になり、王子を幽閉する塔は、煙突の中のような死の室となった。牢番は、塔の下の日かげにこっそり王子を連れていく。王子はそこで奴隷の娘ユーデリカを見初めた。王子はふたりで脱出する計画を練るが、ユーデリカは死刑になった。ダイバダッタは死刑を命じたのは王だと告げる。王子は復讐を誓った。
【第六部】
第1章 サーリプッタとモッガラーナ
ブッダはアナンダに未来の見える人を連れてきてくれといった。アナンダはブッダの着ていた衣をまとって行くが、どこへ行っても扉を閉ざされ、ものを投げられ、袋だたきにあった。
アナンダは道ですれちがったサーリプッタからブッダの教えについて問われる。アナンダからブッダが因果について説いていると聞いたサーリプッタは「私はそのかたのお話がぜひ聞きたい」という。
未来を読むちからをもつモッガラーナは、サーリプッタを迎えに行き、アナンダを見て、すべてを言い当てた。サーリプッタとモッガラーナは、師サンジャヤを捨ててブッダのもとへ行くことにする。他の弟子たちも従った。
アナンダがブッダのもとへ案内する弟子の数は250人。それはアナンダが殺した人間の数だった。モッガラーナはアナンダの未来を予言して「あなたはブッダの手足になる人だ」という。
ブッダはアナンダがもどってくることを知り、弟子たちに出迎えさせた。ブッダは「あなたがたを待っておった……ずっと以前から」といい、ふたりを菩提樹の下へ案内させる。そこはブッダの寝起きする場所だった。
第2章 非難する群れ
ブッダはサーリプッタとモッガラーナを上座にすえた。ダイバダッタはブッダに後継者は自分こそふさわしいというが、ブッダは「おまえなどに教団をゆずる気はない」と叱りつけ、ダイバダッタを追い払った。
サンジャヤにたのまれたチンチャという女が、おなかの中にブッダの子がいるといい、ラージギルの町々にはブッダを非難するうわさが流れだした。
アナンダのもとにマーラが現われ、リータと結ばせてやるからブッダを捨てよと迫るが、アナンダはブッダを選ぶ。リータはコブラに咬まれて死んだ。
ブラフマンはブッダに「約束をはたしていない」という。ブッダは反省した。
第3章 死の沼地
ブッダはアナンダだけを連れて北へ旅を進め、20年前にデーパと通った沼地を通ってバンダワの町につく。昔ブッダを誘惑したヴィサーカーは狂っていた。