筑紫哲也(ジャーナリスト)「解説」より
手塚氏はなぜ漫画を描くのかという点について「僕の人生観を僕なりの方法で伝えるつもり」「単なるエンターテインメントのつもりではない」(中略)「それが届くか届かないかが、僕の勝利であり敗北であり、希望であり、失望でしたね。半分以上届いてないですけどね」と付け加えている。
【第三部】
第4章 騎士スカンダ/第5章 バンダブ山の会見/第6章 苦行林にて
ブッダ関係地図
ブッダの旅の行程図
解説 筑紫哲也(ジャーナリスト)
【第三部】
第4章 騎士スカンダ
シッダルタとデーパは、熱病にかかったアッサジを連れてバンダワの町にやってくる。シッダルタはうみを吸い取ってアッサジの病気を治した。
町の長者の娘ヴィサーカーは、シッダルタを誘惑するが、シッダルタは心を動かさなかった。そこへタッタが強盗団を引き連れてやってくると、町を焼き払い、ヴィサーカーを人質にとる。シッダルタは10年たったら国へ戻ることを約束し、タッタに盗賊をやめさせた。ヴィサーカーの心を知ったスカンダは自殺した。
第5章 バンダブ山の会見
死の世界の入り口から戻ったアッサジは、予知能力を身につけていた。
アッサジは20年後にビンビサーラ王が息子に殺されることを予言する。
ビンビサーラ王は、バンダブ山で修行中のシッダルタに会い、友人となった。
第6章 苦行林にて
シッダルタはデーパに誘われてウルベーラの苦行林にいった。河でからだを洗っているシッダルタの前にスジャータが現れ、毒虫や蚊にさされない薬を渡す。
苦行が始まった。タッタがやってきて食べ物をさしだすが、シッダルタは断る。ミゲーラはからだじゅうにできものができて苦しんでいた。
スジャータは2カ月も断食したシッダルタの姿を見て驚き、こっそり物置へ連れて行って牛乳とごはんをまぜたスープを飲ませる。
苦行林の修行者たちはタッタを捕らえ、丘の上の家に火をかけようとしていた。シッダルタはタッタを逃がし、タッタは火の中からミゲーラを救い出した。
シッダルタは林の中にひそんでいるタッタをたずねて、ミゲーラの姿を見た。アッサジはシッダルタに、ミゲーラを治す方法を教える。それは傷口から毒を吸い出すことだった。シッダルタはミゲーラの体からうみを吸い出す。