北杜夫(作家)「解説」より
ヒマラヤの美しい山、それにつけられた手塚さんの文章は本当によかった。また、悟りを得たのちのブッダの顔もよかった。手塚さんこそ、まさしく天才であった。(中略)
手塚さんは、あまりにも苦行され続けた。せっかく「ブッダ」を勉強されながら、なぜ苦行を捨てなかったのか。手塚さんの死は、まさしく過労死である。それが、もっとも惜しむべきことであった。
【第二部】
第9章 旅立ちの朝/第10章 バンダカの死
【第三部】
第1章 苦行/第2章 弱肉強食/第3章 老婆と浮浪児
ブッダ関連地図
解説 北杜夫(作家)
【第二部】
第9章 旅立ちの朝
シッダルタの子は生まれようとしていた。
バンダカはスッドーダナ王に、国をゆずれと迫る。
子どもが生まれて7日目の朝、シッダルタはひそかに城をぬけだした。
第10章 バンダカの死
シッダルタが城を出てまもなく、またコーサラ国のいやがらせが始まった。
コーサラ国に対抗するため、スッドーダナ王はやむなくバンダカに国をゆずった。王となったバンダカはヤショダラにいいよるが、拒否される。バンダカは、侍女のひとりを妃にして、生まれた子にダイバダッタと名付けるよう命じた。
出陣したバンダカは敵の矢に射られて死ぬが、コーサラ国は侵略をやめた。
1年たった。バンダカの子ダイバダッタはちからの強い子になっていた。
【第三部】
第1章 苦行
マガダ国をめざすシッダルタは、デーパと出会い、猟師の子アッサジを連れていくはめになった。その前に、タッタとタッタの妻になったミゲーラが現れた。
第2章 弱肉強食
ダイバダッタは、こども同士で遠足に行き、穴に落ちたとき、ほかの子を殺して荒野に捨てられた。オオカミに助けられたダイバダッタは、ナラダッタと出会う。
第3章 老婆と浮浪児
ナラダッタはダイバダッタに、人間の世界へもどりなさいという。ダイバダッタはワナにかかって捕らえられ、見世物にされるが、逃げ出して老婆にかくまわれた。