潮新書 最新刊!!
あなたは目をつぶって
100メートルを走れますか?
人は外界から得る情報の九割近くを
視覚に頼っていると言われている。
しかし、そんな中で目の見えないアスリートは
なぜスポーツができるのか。
『目の見えない人は世界をどう見ているのか』の著者が
ブラインドアスリートの見ている世界に迫る。
木村敬一選手(競泳)、高田千明選手(陸上)、
安達阿記子選手(ゴールボール)、
落合啓士選手・加藤健人選手(ブラインドサッカー)など、
リオ戦士が語るおもしろくも不思議な
「目で見ない」世界とは――。
私たちの多くがいつもやっているのとは違う、
別バージョンの「走る」や「泳ぐ」。
それを知ることは、障害のある人が体を動かす
仕方に接近することであるのみならず、人間の
身体そのものの隠れた能力や新たな使い道に
触れることでもあります。
「リハビリの延長」でも「福祉的な活動」でもない。
身体の新たな使い方を開拓する場であることを
期待して、障害者スポーツの扉を叩きました
(第1章より)
伊藤亜紗(いとう・あさ)
1979年東京生まれ。東京工業大学リベラルアーツ
研究教育院准教授。専門は美学、現代アート。もともとは
生物学者を目指していたが、大学3年次に文転。2010年に
東京大学大学院博士課程を単位取得のうえ退学。同年、博士号を
取得(文学)。
主な著作に『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)、
『ヴァレリーの芸術哲学、あるいは身体の解剖』(水声社)、
参加作品に小林耕平 ≪タ・イ・ム・マ・シ・ン≫(国立
近代美術館)などがある。
目次:
■ まえがき
■ 第1章 視覚なしのスポーツを見る方法
■ 第2章 ブラインドサッカー 落合啓士選手・加藤健人選手の場合
■ 第3章 競泳 木村敬一選手の場合
■ 第4章 陸上競技 高田千明選手の場合
■ 第5章 ゴールボール 安達阿記子選手の場合
■ おわりに