日々の付きあい、なりわいの内にひそむ
明るい孤独と静けさのなかへ――。
詩情豊かに紡がれた
大人のためのエッセー集!
「孤独」はいまは、むしろのぞましくないもののように
とらえられやすい。けれども、本来はもっとずっと生き生きと
積極的な意味だった――。
音楽、珈琲、旅、酒、読書……。孤独を慈しみ味わうために
必要な「小道具」をモチーフに、“言葉の魔術師”と呼ばれた
詩人・長田弘が指南する明るく前向きな孤独との付きあい方。
長田弘という詩人は簡素で平易な、けれども凝縮された
奥行きの深い言葉で、現代を生きる私たちが見失いがちな、
ある大切な「歌いかた」を示そうとしたのだろう。
その歌いかたが彼にとって願わしい生きかたの形をも
まっすぐ指し示していたことを、本書のそこここにちりばめられた
箴言を思わせる文からうかがい知ることができる。
――大井浩一(ジャーナリスト、評論家)