「俺は運がいい――」
鎌倉幕府第二代執権・北条義時。
源頼朝の伊豆での旗揚げ時から忠義を尽くし、頼朝にすべてを学んだ男。
常におごらず、源三代の「鎌倉殿」に仕えながら、時に影の如き冷徹さを兼ね備えた武将である。
頼朝死後、繰り返される権力の座を巡る幕府内の抗争。次々と滅んでいく幕府開闢の功労者たち。
そして三代将軍実朝が暗殺され、朝廷が義時追討の宣旨を発した時、「不動」の男がついに動く!
迫る朝廷軍。承久の乱を目前に義時は――。
はたして、義時は「運」だけでのし上がったのか、それとも……。