世界に誇る「江戸前寿司」はなぜ誕生したのか――。
「粕酢」に挑んだ三人の又左衛門と、彼らを支えた女たちの物語。
江戸後期。知多郡半田村で酒造業を営む五代・中野半左衛門の急死により、婿養子に迎えられた三六は、酒造りの傍ら酒粕を使った粕酢造りを思いつく。
後に分家を許された三六は、又左衛門を興す。初代から二代、三代へと、粕酢造りは受け継がれていくが、彼らの行く手には幾多の苦難が待ち構えていた。三人の又左衛門は、いかにして粕酢を江戸中に広めたのか――。
いまや世界で愛される日本の寿司(SUSHI)。その流行の淵源となった「粕酢」に生涯をかけた人々の歴史長編小説。
〔目次〕
●序章
●第一章 増倉屋三六
●第二章 初代・中野又左衛門―三六―
●第三章 二代・中野又左衛門―太蔵―
●第四章 三代・中野又左衛門―小七―