はしがき
第一編 沿海部 VS 内陸部――二〇〇八年七月~一〇年七月
はじめに
第一章 四川大地震が生み出したもの
地震二ヵ月後の被災地に行く/政府の能力の限界/ボランティアの道を選んだ元OL/普通の人が社会にめざめること
第二章 緊張する北京で見た若い力
方向を決定する〇九年/北京が盛り上がった頃/社会活動をする若い世代/益仁平と公盟への圧力/内的理解と少数者
第三章 内陸部の村で起きていること
四川再訪/復興プロジェクト/出稼ぎ労働者出身のNGOスタッフ/湖北省堰河村で/「ゴミをゴミ箱に」から始まった村作り/孫君の画家人生
第四章 地方出身者が作った大都市・深圳
よそ者の街/出稼ぎ労働者を撮り続けるデザイナー/都市游民/日曜日の法律学習会/民間の都市と市民意識
第二編 規制強化 VS 権利主張――二〇一〇年四月~一二年七月
第五章 公民社会の試練が意味するもの
公民社会の台頭/なぜNGOは妨害されるのか/民主化と公民社会/尾行の始まり/民間の力量
第六章 社会活動カフェに集う人々
鄭州のカフェ「和而不同」/過酷な運命に泣き寝入りしない人たち/「権利は勝ち取るべきもの」/放置された問題にあえて取り組む
第七章 故郷・安徽での挑戦
臨泉県へ/「常坤の家」/公共サービスの意味/議論よりも身近な実践/つぶされたシンポジウム
第八章 新しい中国の芽を訪ねる
給与の一割を寄付する工場労働者/奮闘する農民弁護士/民主化と街作り/下からの市民社会化/烏坎村へ/「村のことは村で解決する」
第三編 反日 VS 市民――二〇一一年一月~一三年四月
第九章 草の根を交流をする
内陸部の日本認識/評価か脅威か/市民同士の交流/シンポジウムの開催/日中関係と市民社会
おわりに――これからも草の根を探し続けていく
あとがき
プロフィール:
麻生晴一郎(あそう・せいいちろう) 1966年福岡県生まれ。東京大学在学中、中国の行商人用の格安宿でアルバイト生活を体験し、出稼ぎ労働者たちと交流。90年代の多くの時間を大陸で過ごす。現在はルポライターとして中国動向の最前線を伝えている。著書に『反日、暴動、バブル――新聞・テレビが報じない中国』(光文社新書)、『中国人は日本人を本当はどう見ているのか?』(宝島社新書)など。2013年に、第1回「潮アジア・太平洋ノンフィクション賞」を受賞。 |