潮アジア・太平洋ノンフィクション賞 第1回受賞作!
選考委員 梯久美子氏 後藤正治氏 楊逸氏 吉岡忍氏
沖縄の伝統食材が語りかける
日本からアジアへ「人と食」をつなぐ旅――
〈選評〉
梯久美子氏
「豆腐というありふれた食べ物が、いかに奥深くゆたかな歴史を秘めているかが、説得力をもって具体的に語られる。人と人との直接の出会いが食文化を伝播させてきた事実が、著者が取材した沖縄およびアジア各地で生きる時代の人々の姿から見えてきた」
後藤正治氏
「この作品は何より滑らかな文体で読みやすい。生産現場を訪ねつつ、中国・日本・アジアの中継地・琉球の食文化を辿っていく――。地域密着のスローフードを、という筆者の価値観にも共感を覚えるものがあった」
序章 琉球弧への船出
第一章 久米島の潮水
第二章 熱い豆腐
第三章 遥かなる記憶
第四章 ヤマトで暮らす沖縄人
第五章 日本帝国の予兆
第五章 糸満トーフマチ
第六章 シマ豆腐とマチヤグヮー
第七章 豆腐の起源
第八章 東南アジアからの視点
終章 大交易時代
参考文献
林真司(はやし・しんじ) 1962年生まれ。2002年龍谷大学大学院経済学研究科修士課程修了(民際学研究コース)。食べ物を通して、人間の移動や交流をテーマに研究を続ける。13年に第1回「潮アジア・太平洋ノンフィクション賞」を受賞。