潮出版社
 
 
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著者名
船村徹
カテゴリ名
本/単行本
発刊日
2013年06月25日
判型
四六判
ページ数
246
ISBNコード
978-4-267-01949-4
Cコード
0095
価格
2,200 (本体 2,000円)

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作品概要

追悼:船村 徹 先生


作曲家人生60年の壮絶な半生を描いた感動の自叙伝!


『王将』『矢切の渡し』『みだれ髪』『兄弟船』など、
数々の名曲を生み出した作曲家・船村徹。

華々しい活躍の裏には、レコード会社との確執、
北島三郎や鳥羽一郎といった弟子の育成、
美空ひばりとの真摯で激しい闘い、
作詞家・星野哲郎の逝去……など、
様々な人たちとの知られざるドラマがあった。

目次

プロローグ 旅、そして演歌巡礼

日本の山、そして海で暮らす人々との交流
演歌を携え各地を歩く、それが演歌巡礼
巡礼とは人々との出会いと語らい
刑務所慰問でも演歌を披露
罪を憎んで人を憎まず
ひとり歩きする歌
石ころにつまずいたら立ち上がれ、人生は旅なんだ

第一章 ぼろモンペ、好きかと問えば 母のこと
祖父のルーツは飛騨にあり
道楽者の父と働き者の母
いまも耳に残る「デレスケ!」という母の叱声
兄の死にも涙を見せなかった母
音楽学校はちんどん屋養成所
おれは河原の枯れすすき!

第二章 憧れの兄亡き後に
兄にまつわる神秘体験
私とは出来が違った長兄の健一
厳しくも優しい兄
戦争で肉親を失った者たちの悲しみ

第三章 音楽の道を歩み始める
巨人軍の入団テストには、見事失格
音楽の原体験は自然の音、そして父の尺八、クラシック
ラッパ片手にひとり吹奏楽団
進駐軍相手のバンド演奏で物資調達
故郷の話でピアノ実技をクリア
のどかな学生生活
クラシックでは太刀打ちできないと知る

第四章 酒、そして親友高野公男との出会い
酒と煙草は筋金入り
説つたっていいじゃねえか
俺の詞に曲を書け
握り飯の恩義、今も忘れず
バケツ酒で毎週酒宴を開く
毎日が騒然としていた東京の街
郷愁が生んだ「地方」への思い

第五章 プロへの第一歩 高野公男との二人三脚
ギター抱えた「流し」稼業で生計を立てる
キングレコードを紹介され、曲を持ち込む
ついに高野公男、三橋美智也とレコードを
専属以外は日雇い労働者
キングレコードへの出入り差し止め
楽団結成し地方回りを計画

第六章 友と生み出した大ヒット、そして高野公男との別離
歌たちに愛惜の想いを捧げる歌供養
「泣けたっけ」が「別れの一本杉」に
日々悪化していく高野公男の体調
捨てる神あれば拾う神も、コロムビアとの専属契約
映画「別れの一本杉」封切り直前の死
酒に溺れ、友の死を忘れようとする
絶筆「男の友情」

第七章 頼りになる伴走者、作詞家たちとの交流
風土を感じることが私の曲作りの作法
時代に抗いながらも大ヒットの「王将」
西条八十の妻への鎮魂歌
「矢切の渡し」ができるまで
星野哲郎との出会い
星野、船村、そして北島トリオでヒットを連発
津軽の風土の厳しさを描く「風雪ながれ旅」
「みだれ髪」に賭けた美空ひばり

第八章 家族、そして内弟子たち
二百人以上が集う船村徹同門会
内弟子を育てるのは、歌への「恩返し」
終生の妻、能沢佳子との出会い
初めての純愛
内弟子という家族たち
芸名に出身地を織り込む
野人のように現われた鳥羽一郎
ヒットは時の運、されど土台が必要
連れ添って五十年

第九章 東日本大震災、「挽歌」としての美空ひばり
震災の生み出した悲劇は今もまだ続く
ひばりとの仕事は、いつも壮絶な闘い
天才ひばりの凄さ
ひばりが私に出した二つの注文
最後の共同作業「みだれ髪」

エピローグ 船村徹を船村徹ならしめたのは……
工作好きの少年時代
物づくり職人への関心と憧れ
歌謡曲は競馬の馬券と同じ
「船村徹とは俺か」と尋ねてみる