はじめに 重松清
第一章 子供たちにとって必要な“二つの物差し”
日本の本当の教育は明治時代に終わった/“箱モノ化”する教育で人材を輩出できるか/学校教育におけるゲマインシャフト/制度や体制が有為な人材を潰す/「仏作って魂入れず」の学校教育/人生に必要な“二つの物差し”/第一章対談を終えて
第二章 家族とは、どんな意味を持つ“場”か
“親の愛”が子供をダメにする!?/時とともに失われた「ふるさと」のモデル/いまになってわかる親の躾の意味/父親の権威をつくっていたもの/「家族」とは失敗を許し合える関係/家庭がめざすべき里程標とは何か/第二章対談を終えて
第三章 エピソードのない友情は寂しい
友達との人間関係に息が詰まる子供たち/具体的エピソードが少ないいまどきの友情/路地の消失で消えた子供たちの“ルール”/ケンカをしない仲が友達なのか?/他人との距離感は兄弟ゲンカで学べ/どのような関係を本当の友達というか/第三章対談を終えて
第四章 幸せな「老い」を迎えるために
姉が最後に残した愛のある「言葉」/自分の血となり肉となった書物/「人生八〇年時代」に必要な気がまえとは/老年になってからも何事かはできる!/言葉にも滲み出るその人の生きざま/「老い」を迎える準備で大切なこと/第四章対談を終えて
第五章 「師弟」から見た日本人論
一人の人間の育成に必要な周囲の“力”/ダメな教師ほど自分を模倣させようとする/いちばん幸せな学び方とは/わが生涯の師から学んだ終生の指針/「弱さ」「弱点」の自覚から師弟関係は始まる/松陰が弟子に伝えた「仕草」と「カタチ」/第五章対談を終えて
あとがきにかえて 鶴見俊輔