GHQ占領下の軽井沢
強くしなやかに駆け抜ける、老舗ホテルの娘がいた――
軽井沢の老舗「浅霧ホテル」の令嬢として生まれた麻由子。しかし突如降りかかってきた戦争は、その暮しを大きく変えていく。愛する母の死を乗り越え、継母との仲に悩みながら家族を支えた少女時代。幸せになると思った結婚後、夫の負債を返済するため闇市のバイヤーとして走りまわり、やがて「浅霧パーマ」の経営者として自立した女性へと成長していく。
第一部 浅霧ホテルの娘/第二部 占領下の恋/第三部 戦後の荒波
【著者プロフィール】
もろた・れいこ。小説家。1954年静岡県生まれ。上智大学文学部英文科卒業。2003年『其の一日』で第24回吉川英治文学新人賞受賞。07年『奸婦にあらず』で第26回新田次郎賞を受賞。著書には『こんちき』『末世炎上』『美女いくさ』など多数。