第一章 吉行淳之介流
第二章 鶴田浩二、極上の酒の飲み方
第三章 幸田文、粋で無邪気な気遣い術
第四章 毒の按配
第五章 ヘンリー・フォンダの歩き方
第六章 お辞儀の美学
第七章 笑い方という厄介な世界
第八章 悠然たる脇役、斎藤達雄
第九章 大人びた大リーグの匂い
第十章 豪華船上の老紳士
第十一章 老茶人のかもす色気
第十二章 “大谷崎”の葬儀における吉田健一流
第十三章 ローマのバーで会った男の謎かけ
第十四章 伊丹十三はついに小説を書かなかった
第十五章 眠ったまま東洋と西洋を往復する老人
第十六章 アブサンに教わった大人の表情
第十七章 葬儀のプロの奥深さ
第十八章 地図を描いて道を教える
第十九章 荒木町の路地でヘッヘッヘの奥をのぞく
第二十章 眠り狂四郎の影踏み遊び
第二十一章 比類なき大人、草森紳一の示唆
第二十二章 山川静夫先輩の気遣い
第二十三章 西岡常一、路傍の石の手品
第二十四章 マダムのご主人
第二十五章 シチリアンの遊び心
第二十六章 外猫“ケンさん”の結界
第二十七章 ラッフルズ・ホテルのプライド
第二十八章 フランク永井の残像
第二十九章 ランブル関口一郎、エイジングの果てのヴィンテージ
第三十章 噺家に薄情からむ“入り”の艶
第三十一章 川内康範、世界の解読
第三十二章 若尾文子、大女優の輝ける度胸
第三十三章 ゴルフと紳士と賞金王
第三十四章 松井秀喜、絢爛豪華な和の風俗
第三十五章 ぼうふらと森繁久彌
第三十六章 堀文子さんとその親友の奇跡
あとがき
著者プロフィール
1940年東京生まれ。慶應義塾大学卒業。中央公論社に勤務のかたわら文筆活動に入り、80年『私、プロレスの味方です』がベストセラーとなり注目を浴びる。以後、82年『時代屋の女房』で直木賞受賞。97年『鎌倉のおばさん』で泉鏡花文学賞を受賞。小社刊に小説『骨董通り0番地』がある。