虚像の「常民」、実存の「生活者」。
それぞれの「郷土」への探求
柳田民俗学と牧口の創価思想のエッセンスを抽出し、その基盤となる人間観に迫った画期的評論。
序章 遭遇
1 異質の人生行路
2 人生行路の交叉
3 疎隔の予兆
第一章 虚像の「常民」、実在の「生活者」
1 「常民」とは誰だ
2 「常民」は商品経済と無縁か
3 虚構と創作の柳田〝伝承〟
4 柳田とアカデミズム
5 世界を結ぶ庶民の生活
第二章 日本は「稲作の国」か
1 稲と日本人
2 牧口の「地人相関」論における栽培植物
第三章 なぜ「山村」を想うのか
1 柳田と山村
2 牧口の山林効用論
3 山と文化・文明
4 島国根性を棄て海国気風に
第四章 二人の「郷土」を問う意識の違い
1 柳田はなぜ「郷土」を問うのか
2 〝陰画〟としての「漂白民」
3 牧口にとっての「郷土」
4 牧口にとっての「郷土科」
終章 疎隔
1 柳田と牧口の訣別
その弟子―あとがきにかえて
1 柳田とその弟子
1-1 柳田と早川孝太郎
1-2 柳田と今和次郎
2 牧口とその弟子
2-1 戸田城聖
2-2 池田大作
2-3 出藍の弟子たち
装幀/池田雅彦