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「桑原武夫先生と雑談していたとき、『文学もほんとにおもしろいものを読むと、脇から汗が流れるんでっせ』と言われたことを思い出す。確かに凄い本というのは、身体まで反応するものだ。ここに取りあげた書物のなかには、そのようなのも含まれている」。こころの謎とむきあい、こころを読み解く70冊の本を紹介。
Ⅰ
昔話と現代 イタリアの民話から
『古事記』を読む
死ぬとはどういうことか
『中年クライシス』
死霊
死者からのメッセージ 山田太一『異人たちとの夏』を読む
内界と外界が交錯するところ
グリム童話集を読む
白鳥の行方
魂の人 白洲正子『明恵上人』
手作り版『ドリトル先生船の旅』
井筒哲学と心理療法
『少年の日の思い出』を読んで
『さすらいのジェニー』を読んで
古典と現代人の心
鶴見俊輔氏との出会い定年を迎えて
規準は「面白い」
桑原『論語』の魅力
「経験」に根ざした言葉 岩田慶治『からだ・こころ・たましい』
見直される東洋の知恵 『トランスパーソナル宣言』
“脳”を刺激する興味深い対話 養老孟司『脳という劇場』
現代を哲学する書 中村雄二郎「魔女ランダ考』
なぜ〈狂〉か 中西進『狂の精神史』
「こだわり」の果ての「エエカゲン」 森毅『工エカゲンが面白い』
悠々と生きる極意 森毅『ものぐさ数学のすすめ』
「今度は、私に読んで」 子安美知子『「モモ」を読む』
元型としての楕円 花田清輝
Ⅱ
現代青年の感性 マンガを中心に
白土三平『赤目』
長谷川町子『いじわるばあさん』
水木しげる『ゲゲゲの鬼太郎』
萩尾望都『ボーの一族』
池田理代子『ベルサイユのばら』
竹宮恵子『風と木の詩』
松本零士『銀河鉄道999』
鴨川つばめ『マカロニほうれん荘』
大島弓子『綿の国星』
Ⅲ
「み」という言葉の周到な分析 市川浩『<身>の構造』
「一神教の影」と「多<神教」 D・L・ミラー『甦る神々―新しい多神論』
女性の自己実現の問題 E・ノイマン『アモールとプシケー』
人間の心の現実を描く 南条範夫『有明の別れ』
ユングの「共時性」をめぐって イラ・プロゴフ『ユングと共時性』
サルからヒトへと到る進化の道筋 今西錦司『私の霊長類学』
ユング思想が現代に持つ意義 A・ストー『ユング』
夢を畏れる C・A・マイヤー『夢の意味』
ひとつの「羅針盤」を提供する C・A・マイヤー『個性化の過程』
「夢」の解釈 R・ボスナック『夢体験を深める』
ユング心理学による子どもの理解 ジョン・アラン『描画から箱庭まで』
心理療法の「実際」 H・A・ウィルマー『プラクティカル・ユング』
Ⅳ
審判/一八〇度の変化/世論調査/面白さ/新しい価値観/痛み/卒論指導/ドイツ語の俳句/だまされ強さ/夢と自由/日本うそつきクラブ/首のないキューピッド/一神教と多神教/予想/父母未生以前/幸福幻想/自殺予防運動/あおいうみの反省/身体に聴く/仕事量一定の法則/翻訳/フロイトとたましい
あとがき